2020 年 76 巻 2 号 p. I_923-I_928
健康促進に有効とされていた紫外線は,近年その有害性が注目されている.一方,海水浴場利用者数は減少傾向にあり,理由の一つが日焼けである.海水浴場は肌の露出が多くなるため被ばくしやすく,利用者の安心安全を確保するためには,海浜の紫外線特性を明らかにし,正しい予防が求められる.本研究は,夏季の海水浴場において,紫外線の時間的・空間的な変化を定量的に調べ,紫外線の強度特性と決定要因を検討した.計測結果の分析により,砂浜,海面,コンクリートの直射と反射では,紫外線強度の時間的変化の傾向が異なることや,反射の紫外線強度は直射に対して限りなく小さく,海面の反射は砂浜の1.6~3.3倍であること等が分かった.また,海水浴場でも太陽高度が紫外線強度を決定する主要因であるが,雲量と湿度も無視できない要因であることが考えられた.