2021 年 77 巻 2 号 p. I_763-I_768
沿岸域における洋上風力発電では,発電効率だけでなく施工中また完成施設の安全性の観点でも,波浪や風の特性を把握することは重要である.全国の灯台で観測された風データは40年程度の長期観測が行われており,一般的に観測高度も高く,施工検討の基礎データとして風況の特性を把握する上で有意義であると考えられる.
本研究では,全国の灯台で観測されている風データを用い,洋上風力施工検討の基礎データとするため全国沿岸の海上風の特性を把握した.また年最大風速に対する最適分布関数および確率風速について調べた.さらに海上風の鉛直分布の議論をするため,灯台観測風データとMSMによる推算高度風の比較を行って考察した.