土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.38
臨海部の多様な外力と砂の粒子形状を考慮した吸い出し・陥没抑止法の研究
梁 順普佐々 真志工代 健太村田 一城小林 千紘
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_121-I_126

詳細
抄録

 筆者らは,護岸・岸壁等の港湾施設における吸い出し防止策として,裏込石と裏埋砂の間に二層構造のフィルター層を設ける手法に着目し,その実用性を総合的に検討してきている.本研究では,臨海部の多様な外力と裏埋砂の粒子形状を考慮した吸い出し抑止対策技術の高度化を目的として,貝殻片等を多く含有する海砂を用い,地震,潮汐,流れ,風波,降雨,越波等を受けた際の吸い出し抑止性能について,一連の系統的な要素試験と大型吸い出し可視化実験を通じて詳細に検討した.その結果,円磨度が低いいびつな形状を持つ砂を裏埋砂として用いる場合,地震,潮汐,流れ,風波,降雨,越波等の多様な動的環境外力作用下でも,砕石フィルター材の均等係数が2.5以上,中央粒径比が 25 以下の条件において,高い吸い出し抑止効果が得られることが明らかとなった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top