2022 年 78 巻 2 号 p. I_193-I_198
遠州灘に面した菊川の河口周辺に位置する測線No. 102,88, 86, 84において,2015~2020年に取得された縦断測量データを用いて陸向き飛砂量を算定した.また,2021年4月20日には菊川河口周辺の現地調査を行い,海浜砂のサンプリングを行った.この結果,各測線ごとの陸向き飛砂量は,2.7 m3/m/yr(No. 102),3.4 m3/m/yr(No. 88),3.9 m3/m/yr(No. 86),8.1 m3/m/yr(No. 84)と求められた(平均値:4.5 m3/m/yr).この値は,既往研究において地質学的時間スケールの地形形成から推定した陸向き飛砂量3 m3/m/yrと同じオーダーであり,長期間の地形形成から推定した飛砂量と,縦断形変化から推定した飛砂量がオーダー的に一致することが分かった.