2022 年 78 巻 2 号 p. I_205-I_210
空中写真に基づく汀線変化解析により西湘海岸の侵食状況について調べた.この結果によると,近年では森戸川河口東側の国府津・前川地先と二宮IC~葛川河口間で侵食が著しい.汀線変化特性より,国府津・前川地区での侵食は森戸川河口沖の海底谷に土砂が落ち込んだためと推定された.一方,二宮ICの東側隣接部では,東向きの沿岸漂砂により侵食域が次第に東側へと波及している.浜幅の変化から概算した 1973~2020年での西湘海岸全体での総侵食量は286万m3と算定され,この総量が海底谷への流出によると仮定すると,海底谷への流出土砂量は6.1万 m3/yrと推定された.