2022 年 78 巻 2 号 p. I_211-I_216
衛星画像を基に,沖縄北部の大宜味海岸のポケットビーチにおける汀線の方向角の変化を調べた.これによると,2009年以降,卓越波の入射方向がN33°WからN57°Wへと左回りに24°回転し,これに応じて汀線のrotationが起きたことが分かった.また,大宜味海岸では,凸状の海岸線に沿って離岸堤群が設置されていたが,その中央部で海岸線の走行方向が56°も変わっていたため,海岸線の変曲点に設置されていた3号堤付近で入射波向の変化に応じた東向きの沿岸漂砂が発生し,これが離岸堤周辺での著しい地形変化をもたらしたことが分かった.