2022 年 78 巻 2 号 p. I_217-I_222
着床式洋上風力発電基礎のうち,構造物としての製作コストが最も安価なモノパイルは,欧州などでは多く採用されている.我が国においても採用実績は多数あるものの,現地条件によってはモノパイルが適さない場合もある.そこで,条件によってはコスト低減が期待されるサクションバケット基礎に着目し,その洗掘特性について,水理模型実験を行った.その結果,サクションバケットはモノパイルに比べて最大洗掘深が約13%低減することを明らかにした.また,杭径が中間領域となる本研究対象において,小口径および大口径円柱における洗掘特性とは異なる傾向を示すことがわかった.また,サクションバケットの最大洗掘深は,バケット直下で発生することを確認し,洗掘防止工をバケット周縁に設置することによる洗掘抑制が期待された.