2022 年 78 巻 2 号 p. I_253-I_258
Flume式減揺タンクをSurge方向とSway方向に搭載した浮遊ケーソンに規則波,一方向不規則波,多方向不規則波を作用させる水理実験を実施し,ケーソンの動揺に対する減揺タンクの効果を考究した.Surge方向から一方向不規則波と多方向不規則波を作用させた実験より,Pitchの無次元全振幅は減揺タンクに搭載する自由水の増加とともに減少することが判明した.また,Sway方向から規則波と一方向不規則波を,Surge方向から多方向不規則波を作用させた実験より,Rollの無次元全振幅は減揺タンクに自由水を搭載することで減少するものの,自由水をさらに搭載すると自由水を搭載しなかった場合よりも大きくなる場合があることが判明した.したがって,Surge方向とSway方向のそれぞれの減揺タンクに最適な自由水量が存在することが示唆された.