2022 年 78 巻 2 号 p. I_271-I_276
弾性係留索には係留索張力が常に働き,浮体側の係留索取付け点が上下しても浮体動揺を抑える特性を有する.しかし弾性係留索は小型,中型浮体の係留には利用されているが,500mを超える大型浮体に適用された例はみられず,係留設計の技術基準やガイドラインに弾性係留索の係留設計についての記載は見受けられない.そこで弾性係留索の復元力特性に応じたVLFSの運動応答特性を明らかとし,解析対象のVLFSについての弾性係留索が適用可能な範囲の係留索の諸元を示すチャートを作成した.また不規則波中運動応答解析から得られた加速度を用いてVLFSの居住性能評価も行い,弾性係留索の安全性および常時の運用についても考慮した係留索の諸元の選定までの一連の手順も示す.