2022 年 78 巻 2 号 p. I_367-I_372
海底付近に設置された計測器によって得られる圧力の情報から水面変動を推定し,推定された水面変動の情報に基づいて波浪観測結果が整理される.しかし,捨石マウンド上に設置された構造物,スリットケーソンの遊水室で計測された圧力情報から水面変動を推計した研究例はない.本研究では,既往の波浪観測データの整理方法に倣って,スリットケーソン内で観測された圧力データから水面波形を推定する方法について検討した.また,スリットケーソン内の推定波浪諸元と,全国港湾海洋波浪情報網(神戸港)における観測波浪諸元を比較することで,その有効性について明らかにした.