2022 年 78 巻 2 号 p. I_409-I_414
港内の静穏度を確保するために,大水深海域ではケーソン式防波堤を整備することが一般的であるが,輪島港では海水交換を促進するために消波ブロック被覆式傾斜堤での整備が進められている.このような傾斜堤は変状を許容する構造であるが,近年の変状の進行や外力条件の変化を考慮し,改良対策を水理模型実験により検討した.本研究では改良対策を港外側に小段を設けた構造とし,その安定性や水理機能特性を明らかとした.本研究の結論は以下のとおりである.1)小段天端を変化させることで堤体の安定性を向上させることが可能である.2)小段を設けることで反射率を抑制することが可能である.3)小段を設けることによる伝達率の増大等は見られない.さらにCADMAS-SURFを用いた数値解析を実施し,小段設置による越波状況の変化を確認した.