土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.38
礫性海岸を対象とした円柱スリット式護岸に関する水理模型実験
阿部 翔太木村 克俊鴨崎 直也今井 脩雅名越 隆雄
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_415-I_420

詳細
抄録

 礫性海岸においては,波浪による転動石の衝突によって角柱スリット部材の剥離が進行し,鉄筋の露出が発生している.スリット部材を円柱とすることで,こうした被害を軽減できる可能性がある.本研究では,縮尺1/40の不規則波実験により,円柱スリットでは越波水塊の打ち上げを低減できることを示した.さらに粗石の移動率に対する質量や水深の影響を明らかにした.その上で,縮尺1/10の段波実験により粗石を模擬した球体の転動を再現し,スリット部材や後壁に作用する球体衝突力を求めた.円柱部材の正面における衝突力は,角柱部材の場合の1.3倍程度となるが,円周方向に衝突力は小さくなる.円柱スリットでは,中潮位条件で,開口率が50%の場合にスリット部に働く衝突力が最大となり,後壁部についても,中潮位条件で衝突力が最大となることが明らかとなった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top