2022 年 78 巻 2 号 p. I_427-I_432
汀線より陸側にある直立壁に作用する波力の算定法としてCERCの式および富永・九津見の式が設計上用いられることがあるが,いずれも規則波に対して求められた式であるため不規則波に対して適用することはできない.ところが,我が国の技術基準においては式中の波高として換算沖波波高が準用されている.本研究においては,規則波および不規則波を対象とした水理模型実験を実施してこれらの式の適用性について検討するとともに,防波壁施工時に汀線上に設置される捨石堤によって期待できる波浪減殺効果を把握し,これらを考慮して上式を修正した.
その結果,これらの修正式を用いることによって実験値をおおよそ包絡させることができ,波圧合力としては実験値よりも大きくなるため,設計波圧公式として十分に用いることができるようになった.