2022 年 78 巻 2 号 p. I_553-I_558
杭の変形モードの違いによる地盤反力挙動の変化を地盤反力係数分布から評価することを目的として,杭の水平載荷実験を実施した.その結果,杭への水平外力の載荷位置が地表面よりも高い場合には地盤反力の挙動に有意な差はみられないが,載荷位置が地表面よりも深い場合には地盤反力係数が小さく現れることがわかった.また,実験による地盤反力係数の深度分布を鋼管杭式防波堤補強構造に用いられる杭の挙動に適用した.その結果,杭の変形モードが杭頭水平載荷実験の場合と比較的類似するような場合において,本手法による妥当な評価結果が得られた.また,変形モードが杭頭水平載荷実験の場合と大きく異なるような場合には,杭の水平載荷実験で確認されたように,地盤反力係数が小さくなることを考慮する必要があることが考えられた.