土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.38
浚渫粘土を母材料とする人工石材を裏込材として用いた重力式護岸の遠心模型実験
江守 辰哉上野 一彦渡部 要一
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_547-I_552

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抄録

 浚渫土砂処分場の容量が逼迫している一方で港湾工事に使用される石材の供給量不足が懸念されており,浚渫土の有効利用技術の1つとして,浚渫土を母材料とする人工石材の製造技術の開発がされている.本論文では,浚渫土に固化材と添加材を混合することで準硬石相当の強度を有する人工石材の配合検討を実施し,高含水比の浚渫土に対して,セメントと少量の生石灰を加えることで,準硬石相当の人工石材が作成可能であることを示した.また,作製した人工石材は軽量でありながら,天然石材と同程度のせん断特性を有するため,護岸の裏込材として使用することで土圧低減効果が期待された.そこで,人工石材の護岸裏込材としての利用を目的として遠心模型実験を実施し,護岸の安定照査に従来法が適用可能であることを示した.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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