2022 年 78 巻 2 号 p. I_619-I_624
著者らは放射状排水機構を有する高圧脱水固化処理装置を開発し,高強度な構造体ブロックを作成する技術の開発に取り組んでいる.本論文では,新門司沖で採取した粘土に固化材として高炉スラグセメントB種を混合した固化材混合土の定ひずみ速度圧密試験から圧密圧力pと圧密係数cv・透水係数kの関係を求めた.加えて,圧密試験前後のイオン交換容量からkを推定した.また,放射状排水理論を用いて時間と沈下量に関するパラメトリックスタディを行い,ブロック作成中のcvを推定した.その結果,(1) イオン交換容量を用いてkを推定する場合,間隙構造と固化による比表面積の経時変化を考慮する必要があることが示唆された.(2) 圧密試験の結果からブロックのcvを推定するためには,1MPaより大きい作用圧力のときのcvを用いるとよいことが示唆された.