2022 年 78 巻 2 号 p. I_697-I_702
東京湾およびその近海の生息場におけるホソウミニナの繁殖場としての機能を評価するために必要な,本種個体群の成貝における繁殖可能な個体の割合(PFA)を予測するための手法を新規に開発した.二生吸虫の寄生によって繁殖能力を喪失しておらず生殖腺がよく発達し,繁殖可能と考えられる成貝を,簡易に得られる形態指標に基づき特定するため,成熟度・寄生予測モデルを構築した.このモデルによってPFAを予測できるようになった.本手法を活用した本種の繁殖場としての生息場の評価手法は,造成干潟等を繁殖場として評価する際の利用が期待される.