2022 年 78 巻 2 号 p. I_745-I_750
新潟港海岸(西海岸地区)では,潜堤,突堤,養浜を組み合わせた面的防護方式による侵食対策を行っている.養浜後の地形状況を合理的かつ適切に把握できる計測手法を検討するとともに,試験的に航空レーザ測深(ALB)で海岸地形を計測した.ALBでは当該海域の移動限界水深である8m程度まで測深できた.従来手法である深浅・汀線測量で求めた同一地点の水深の水深差(絶対値)の平均は0.14mであり,深浅・汀線測量と同程度の精度を確保した.このことより,大規模養浜を行う当該海岸の面的な地形変化を把握するモニタリング手法としてのALBの有効性が示された.また,ALBの計測結果を用いて,浜幅健全度評価を試験的に実施した結果,砂浜モニタリングに必要となる陸側,沖側不動点位置及び前浜,後浜勾配を単一手法で確認することが可能であった.