2022 年 78 巻 2 号 p. I_763-I_768
洋上風力発電の基礎設計のための簡便かつ経済性の優れた海底地盤調査として,サンプリング兼サウンディングの技術開発を目指している.この調査方法の特徴は,地盤の力学特性を推定するサウンディングと連続した土質試料の採取を同時に行うことである.しかし,過去に試作したサンプラーでは,先端の閉塞によって試料採取率が低い,試料の乱れが著しい,作業性が低いという問題があった.そこで,サンプリング装置の形状と構造を改良し,軟弱な粘性土地盤で実証実験を行った.その結果,乱れが比較的に少なく深度7mまで連続した試料の採取に成功した.コーン貫入試験のデータと採取した試料の目視観察と土質試験の結果を併せることにより,品質の高い地盤情報が簡易に取得できるようになった.