2022 年 78 巻 2 号 p. I_775-I_780
本研究では,水中構造物の3次元形状を写真測量を用いて把握する場合に必用となる水面屈折補正法として,画像幾何変換を用いる方法を提案した.水上のカメラから撮影した水中構造物の画像を光線追跡により算出された見かけのカメラ位置から撮影した気中画像に変換する3種の画像幾何変換(水深依存アフィン変換、水深非依存アフィン変換、水深非依存透視変換)を提案した.チェスボードを用いた精度検証実験の結果,水深依存アフィン変換および水深非依存透視変換が高精度であり,θ≦10°のケースではu, v方向格子間隔誤差が1%程度に抑えられた.また,水深非依存透視変換では台形状の歪みを補正できることが分かった.水深非依存透視変換は水深情報を必要としないため,水中構造物の写真測量に有効な屈折補正法だと考えられる.