2022 年 78 巻 2 号 p. I_817-I_822
近年,マイクロプラスチック(5mm未満のプラスチック,以下:MPs)の海洋汚染に世界中で注目が集まっている.海洋へ流出したMPsは毒性の強い化学物質を吸着しやすい特性や難溶解性が強いものが多いことから中長期的な問題として懸念されている.
本研究では,海底土表層におけるMPsの個数密度は最大97.2個/kg-dryであった.個数密度の空間分布は,河口に近く滞留性の強い地点で高く,沖合では低くなっていることが分かった.ポリマーの分布は空間的に違いが見られた.いずれの調査点においてもMPsの個数密度とポリマー比率は時間変化があることが確認できた.このことから,この海域では堆積プロセスが複数存在している可能性が示唆された.