土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.38
衛星データを活用した濁り平面分布を初期値とした濁り拡散解析の検討
高山 百合子大野 剛織田 幸伸
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_859-I_864

詳細
抄録

 埋立て等の濁りが発生する海洋工事においては,翌日の濁り拡散を予測し,工事を進める方法が有効である.実工事においては,計算の初期値となる濁りの平面分布を計測する手法が無いために濁り拡散予測の導入が進んでいない.本研究では,工事に活用可能な濁り拡散予測の精度を確保するために,濁りの平面分布を解析初期値に取り入れる手法の開発を目的とする.本論文では,濁り拡散を捉えた衛星画像を用いて推定濁度分布図を作成し,これを初期値に設定した濁りの拡散計算を実施した.その結果,衛星データ解析から濁度が低下する過程では沈降が大きく影響していることが推測された.平面分布を初期値に取り入れた拡散予測計算では,沈降の影響を取り入れることによって平面分布が再現できることを示し,手法の妥当性が示唆された.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top