抄録
舗装の劣化は,路面の劣化過程と舗装全体の耐荷力の低下(以下,舗装構造の劣化と呼ぶ)が複合する複雑な現象である.さらに,耐荷力の低下は,路面の劣化速度に影響を及ぼす.道路舗装マネジメントにおいては,舗装構造の劣化状態を総合的に判断し,望ましい補修方針を決定することが重要な課題である.本研究では,1)路面性状調査結果に基づいた路面の劣化速度の相対評価による重点管理区間の抽出,2)重点管理区間を対象としたFWD(Falling Weight Deflectometer)調査による耐荷力の診断という2つのプロセスによって,対象とする道路区間における舗装補修方針を検討するための方法論を提案する.さらに,国道9号線を対象として,本研究で提案した方法論の有効性を実証的に検証する.