2012 年 68 巻 3 号 p. I_89-I_95
我が国では経済発展に伴い産業副産物が多量に排出されており,それらの再利用を今まで以上に推し進め,廃棄処理をできるだけ抑制することが望まれている.例えば,非鉄金属精錬の副産物であるフェロニッケルスラグ(FNS)は,細骨材として再利用されているが,微粉末については再利用に至っていない.また,集塵ダストとして発生する微粉酸化鉄は,路床改良材として多用されているが,その性状には多くの解明すべき点がある.そこで,本研究では,FNSと酸化鉄の微粉末の再利用を目的に,それぞれに消石灰を混合し,室内試験を行い,路床改良材としての適用性について検証した.その結果,最も強度発現が期待できる混合割合を明らかにし,これをまさ土に混入した場合の路床改良材としての有効性について確認した.