2015 年 71 巻 2 号 p. 97-107
近年,台風やゲリラ豪雨により,鉄道軌道が被災する事例が生じている.そのなかには鉄道バラスト道床が流失する事例も含まれており,バラスト流失に対する精度の高い予測と効率的な対策が求められている.そこで本研究では氾濫流による鉄道バラスト道床流失を念頭に,SPH (Smoothed Particle Hydrodynamics)法を用いたバラスト道床法面崩壊のシミュレーションを行った.シミュレーションでは,模型実験により観察されたバラスト道床の浸透特性や道床法面の進行的破壊を考慮した.具体的にはForchheimer則を導入しバラスト道床の浸透特性を表現した.また,限界間隙内流速によるバラスト抜け出しの判定をSPHシミュレーションに導入し,バラストの抜け出しから法面崩壊までのプロセスの再現を試みた.