2017 年 73 巻 3 号 p. I_205-I_212
舗装の構造評価手法の一つにコア抜き調査があり,アスファルト混合物層の内部損傷の把握を目的に現場で適宜実施されている.平成28年10月に策定された「舗装点検要領」においても,必要に応じたコア抜き等の詳細調査が位置づけられるなど,構造評価手法自体に関心が高まっている.しかし,これら構造評価に基づく修繕工法の選定が,舗装の構造的健全度の回復度に定量的にどのような影響を与えるかはあまり明らかになっていない.本報では,コア抜き調査をもとに修繕工法を選定したアスファルト舗装修繕工事現場を対象に,修繕前の路面性状調査及び修繕前後でFWDたわみ量調査を実施し,コア抜き調査によるひび割れ深さに着目した修繕工法の選定が,舗装の構造的健全度の概ね均一なレベルへの回復に寄与したこと等を明らかにした.