抄録
近年,排水性舗装が導入された高速道路区間が増加している.排水性舗装ではひび割れに加えてポットホールなどの局所的な損傷も多発することが経験的に知られており,ひび割れ率を用いた劣化評価が妥当でない場合もある.そこで本研究では,排水性舗装の局所的な損傷を明示的に考慮した劣化評価手法を提案する.具体的には,高速道路区間を微小な区間(メッシュ,1m×0.875m)に分割し,集計的マルコフ劣化ハザードモデルによりメッシュの劣化過程を表現する.これにより,排水性舗装のひび割れから局所的損傷までの劣化状態の推移を詳述し,局所的損傷を考慮した劣化評価が可能となる.最後に,実在の高速道路を対象とした適用事例を通じて,本研究の有用性を議論する.