2018 年 74 巻 2 号 p. 30-41
予算配分における客観性と公平性を確保するために,管理区間における修繕需要を定量的に表現する指標が求められている.舗装点検要領の下では多様な点検方法が可能であり,道路管理者は点検により得られる情報と必要なコストを勘案した上で点検方法を選択することができる.本研究では,各管理区間における診断区分IIIの施設数量により按分することで修繕予算の配分比を決定する方法を提案する.区分IIIの施設数量は区分IIIに係る区分比率である不良率を全施設数量に乗じることで得られるため,点検方法の多様化に対応した管理区間の不良率の算出方法を明らかにする.さらに,主要幹線道路における既存の実測データを用いた適用事例を通じて,算出方法が予算配分比に及ぼす影響を実証的に分析する.