2020 年 76 巻 2 号 p. I_195-I_202
本研究は,ラフネス波長領域と転がり抵抗の速度依存性に関する要因分析を目的に検討を行った.検討では転がり抵抗係数を1m区間毎に細分化し,速度,およびラフネス波長領域との関係について分析した.その結果,ある特徴を持った路面形状の通過時に発生する抗力が速度依存性の要因の一つであると推察した.この検証のために,ウェープレット解析のリフティングスキームを用いた方法により転がり抵抗が増加する特徴的な形状の検出を試みた.その結果,検出点と転がり抵抗が増加する箇所が概ね一致した.上記検証により,特徴的な路面形状が転がり抵抗に影響を及ぼしていたとともに,速度依存性の影響要因一つであったことを明らかにした.