2020 年 76 巻 2 号 p. I_211-I_216
アスファルト舗装のひび割れは,接着剤であるアスファルトバインダが脆化した場合に交通荷重や温度変化等により生じる.アスファルトの劣化は主に酸化反応であるが,施工時や夏季等の高温状態のほか,特に舗装表面では紫外線による影響が懸念される.バインダ単体での試験や現場採集材の分析等の知見は多いものの,アスファルト混合物での紫外線劣化を評価した研究は少ない.本研究では,アスファルトコンクリート平板への強い紫外線の照射を行い,アスファルトとその混合物の劣化挙動を検討した.その結果,表面近傍ほど劣化が大きいこと,アスファルト劣化は混合物の締固め度の影響が大きいこと,積算紫外線量に応じて舗装表面での劣化が進行することがわかった.また,表面処理材を塗布して紫外線遮蔽することにより劣化抑制できることを確認した.