2023 年 78 巻 2 号 p. I_164-I_170
近年,誰もが安心して利用できる歩行空間の環境整備が重要になっている.歩行空間の維持管理上の路面評価の課題は,自動車の進入ができず路面性状測定車の適用が困難なため,主観的評価が主流である.国際ラフネス指数(IRI)は自動車を対象としたモデルに基づき算出されるため,歩行空間の路面評価では自動車と異なる評価指標も必要である.本研究では,電動車いすを用いた走行試験を実施し,走行時の乗り心地に関連した振動応答を明らかにした.また,歩行空間を対象とした新たな路面調査手法として開発した三次元点群計測システムを用いて,パーソナルモビリティの振動応答を考慮した路面評価の精度検証を行った.結果,高さ方向の計測や平たん性評価では高い精度で路面を取得できることが確認された.