2023 年 78 巻 2 号 p. I_200-I_210
老朽化が進行する高速道路において,安全で快適な舗装路面の提供を実現するためには,各種モニタリング情報を有効活用し,長寿命化が可能となる効率的な舗装修繕施策を立案しなければならない.舗装路面のモニタリングは,日常点検と路面性状調査に大別され,それぞれデータは別々のシステムで管理されており,日常点検の情報が修繕計画に十分に活用されていないのが現状である.そこで本研究では,日常点検・路面性状調査結果と舗装建設時の情報を,路線・キロポストといった位置情報を介して連携させた分析を実施する.その分析を通じ,路面から得られる情報を用いて舗装深層部の損傷状況を定量的に評価する方法を検討し,劣化状態に応じた修繕施策の策定手法や,アスファルト層厚の重要性を踏まえた修繕サイクルの長期化への方向性を考察する.