抄録
本論文は,戦後復興及び高度経済成長の一端を担ってきた社会資本整備に対する土木技術者の役割さらには,建設コンサルタントの多様化する役割における実践力やグローバル化に向けた国際競争力の向上のための実践の場の重要性を論じる.その背景には,戦後復興期から高度成長期において土木技術者が,技術面などで先行していた海外の技術を実践により習得し,技術革新,技術の高度化を進めてきた.その結果,最先端技術にしかなし得ることができなかった社会資本整備を実現し,現在の国の骨格を形成してきた.今後の日本では,人口減少・超高齢社会やグローバル化の進行等により,社会システムの変更を余儀なくされる.そのような時代にあって,土木技術者の時代感と共に,建設コンサルタントのさらなる飛躍のために実践力の重要性はさらに高まる.