土木学会論文集F5(土木技術者実践)
Online ISSN : 2185-6613
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和文論文
  • 久保田 恵都子
    2021 年 77 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/01/20
    ジャーナル 認証あり

     10年以上前に住民参加により整備した公共施設において,合意形成した事項を変更・改修する必要が出現している.本研究は,住民参加による道路事業の2事例を対象に追跡調査を行い,計画当初とその後の変更・改修におけるプロセスを比較し,合意事項の変更・改修時における事象と今後のまちづくりに対して考察した.その結果,住民の合意事項の変更・改修には住民の再合意形成が必要条件であること,協働のまちづくりにおける実現手法や対処法等を明確化して住民が合意形成する過程に意義を見出し,多様な主体によって住民同士が話す場を設けることが重要であることなどを明らかにした.

  • 筒井 勝治, 村上 嘉謙, 冨岡 健一
    2021 年 77 巻 1 号 p. 22-37
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル 認証あり

     ラオス国のナムニアップ1水力発電プロジェクト(NNP1:出力29万kW)の開発に関わる少数民族モン族520世帯3,500人の移転に際し,出資者である関西電力は,モン族が持つ独特の文化や慣習だけでなく,歴史や現在の境遇に至った背景まで遡り,彼らの将来設計を見据えた移転計画を提示したが,多くの住民が事業者の開発する移転地ではなく自主移転を選択した.この選択に大きく影響したと思われる「土地」「戦争」「ジェンダー」に注目し,文献や既往のプロジェクトの調査,住民へのインタビューを通して,モン族が持つ特有の社会的背景,慣習に起因する移転における意思決定の真意を探った.本論文における少数民族モン族の特質に関する分析・評価の成果は,東南アジアでの少数民族の移転を伴う水力開発を進める上での円滑な合意形成に資すると期待する.

  • 木下 義昭, 佐川 康貴
    2021 年 77 巻 1 号 p. 58-69
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

     インフラ構造物の老朽化は全国的な課題である.市町村道の供用延長は全国の約84.1%を占めており,市町村道における舗装メンテナンスサイクル(点検-診断-措置-記録)の構築は重要である.地方公共団体は,国の舗装点検要領の策定に基づき,舗装点検を実施し,舗装修繕を進捗しているが,予算が逼迫している現状である.本論文では,玉名市役所が管理する舗装を対象に,「従前の舗装点検」に基づく舗装修繕に対する住民ニーズとの乖離を示し,それらの課題を分析した.そして,点検費用のコスト縮減のため,ICTを活用した直営の舗装点検を実践し,ICTの導入効果および改善点を踏まえ,ICT活用の多重化,および,直営化による効率的な舗装点検の実装について述べる.

  • 渡邉 正俊, 井林 康, 五艘 隆志, 皆川 勝
    2021 年 77 巻 1 号 p. 70-83
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル 認証あり

     近年,我が国は開発途上国に対し,橋梁維持管理の能力向上・強化を目的とした技術協力を実施しており,橋梁点検・補修技術の普及,維持管理計画策定を目指した活動が行われている.しかしながら,多くの開発途上国は維持管理計画を策定する上での基礎データとなる台帳類が未整備であることに加え,これまで橋梁点検が実施されておらず,技術協力の開始時点において維持管理の対象となる橋梁の状態が把握されていない.効率的な維持管理を実施していくためには,基礎データを整備することは不可欠である.本論文においては,筆者らが開発したタブレット端末による橋梁データベース作成システムにより,技術協力プロジェクト期間内にカンボジア公共事業運輸省が管理する全国約2400橋の橋梁データベースを構築した手法を述べる.

和文報告
  • 保田 敬一, 古木 守靖, 石川 博基
    2021 年 77 巻 1 号 p. 10-21
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/01/20
    ジャーナル 認証あり

     国土交通省はインフラシステム海外展開行動計画2019を推進しているが,競合国に比べて日本の建設コストが高い等の指摘を当該国からうけている.本研究では,海外における本邦企業の建設コスト削減に寄与するため,途上国にてインフラ輸出を数多く展開している中国の施工例を対象に,日本の設計との考え方の相違を整理する.具体的には,カンボジアの国道8号線にて中国施工橋が採用している橋長20m間隔方式による橋長決定方法と,国道6号線において採用している桁長統一によるコスト削減方法を取り上げる.氾濫原に架橋する際は,氾濫による盛土部分や橋台・橋脚周辺の浸食を最小限にする工夫が必要であり,中国の採用している設計の考え方は日本の橋長最小化シナリオによる橋長決定方法よりもコスト面や維持管理面等で合理的であることを示す.

  • 坂本 大祐, 庄司 いずみ
    2021 年 77 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/02/20
    ジャーナル 認証あり

     水資源の節約や経営改善を図るための手段としての無収水削減は,特に人口増加が著しい開発途上国の都市部では喫緊の課題である.その無収水に関し,本稿では,ギニア国コナクリ市の無収水削減方針策定の検討過程を論じた.まず既往研究による無収水対策のアプローチを把握し,そのアプローチを参考にしつつ,コナクリ市の水道施設のコンテキストに応じた無収水削減方針を策定した.具体的には地上漏水対策の優先,顧客メーター設置率の改善,配水ブロックの構築と配水ブロック単位での配水圧管理と無収水削減対策の実施を優先事項とした.流量計の調達や配水ブロックの構築作業が開始されたが,時間も投入も要する地道な無収水削減の関連作業を今後継続していくことが無収水削減の鍵と考える.

  • 保田 敬一, 岩切 誠一郎, 石川 博基
    2021 年 77 巻 1 号 p. 45-57
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

     インフラシステム海外展開を推進していく上で競合国の技術レベルを把握することは重要である.そのためにも競合国が施工したインフラにおいて本邦優位技術が使われているのか,その実績の有無,実績における延長や施工規模などの適用条件を事前に調査しておく必要がある.そこで,本研究では,インフラ輸出の競合国の一つである韓国を対象にして,ベトナムにおける韓国施工の橋梁を調査することで,日本のコスト削減に寄与できる可能性のある設計の考え方などを検討すること,韓国の橋梁設計と日本の設計の考え方との差異も合わせて考察する.

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