土木学会論文集F5(土木技術者実践)
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和文論文
都市部山岳トンネル直上を開削する場合の数値解析によるトンネル挙動の予測と評価
河野 伸征森 隆信竹下 卓宏中川 浩二
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2012 年 68 巻 2 号 p. 40-50

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抄録

 福大トンネルの開削工事は,小断面NATM工法で建設された福岡外環状共同溝と福岡市営地下鉄3号線トンネルの直上約5~8mまで大規模(幅約45m,深度約10~20m)に掘削する,過去に例の少ない近接施工である.特に,地下鉄は福大トンネル工事期間中に供用を開始する計画であり,トンネル構造上の安全確保に加えて走行軌道の安全確保が重要課題であった.一方,既設山岳トンネル直上を開削する場合の地盤ならびにトンネル挙動は不明確な点が多く,事前の影響予測手法が確立されていないのが実情である.
 本論文は,FEM解析を用いて事前安全予測,試験施工結果の検証を実施し,直上を開削した場合の既設山岳トンネル挙動を解明するとともに,上部開削時の変形係数や覆工-地盤間の結合条件に着目した影響予測手法を提案するものである.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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