2012 年 68 巻 2 号 p. 51-62
現在,総合評価落札方式の入札制度が広く導入され,わが国の公共事業は新たな時代を迎えた.その中の一つに,設計・施工一括発注方式があり,高速道路会社をはじめ,いくつかの事業者がその試行を行ってきた.本稿は,中日本高速道路おける本方式適用の試行工事である新東名高速道路青木川橋工事に関して,その発注方式の仕組みを考察・検証するとともに,事業者,受注者におけるメリット・デメリット,実際の応札過程における設計・施工一括発注ならではの特色,受注後に実施された詳細設計での事業者と受注者で協議しながら解決した内容,また,今後の本方式の発展に向けた提言等を行うものである.