土木学会論文集F5(土木技術者実践)
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和文論文
法定外公共物の自然再生に向けた「市民工事」の実践とその意義
高田 知紀豊田 光世梅津 喜美夫桑子 敏雄
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2014 年 70 巻 2 号 p. 56-68

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抄録
 本研究の目的は,公共工事の展開が難しい水辺空間において,具体的な自然再生を実現するための手法として「市民工事」を提案することである.「市民工事」の概念は,新潟県・佐渡島の加茂湖における実践活動から導出した.加茂湖は制度的に法定外公共物として位置付けられており,公共事業によって自然再生を実現することが困難であった.そこで,加茂湖再生に向けた市民組織を設立し,地域住民が自らの手で具体的な湖岸再生事業を実施した.本研究ではその経緯に考察を加え,地域の自然環境を「コモンズ」として,地域に根ざすかたちで再生していくための有効な方法論として「市民工事」を位置付けた.
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© 2014 公益社団法人 土木学会
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