2019 年 75 巻 1 号 p. 1-9
経済発展が著しい開発途上国において新規道路建設と並行して維持管理の問題を包括的に考える道路アセットマネジメントの取り組みが進んでいる.アセットマネジメントシステムの導入には,定期点検の実施による信頼性を確保したデータの蓄積が必要不可欠であり,定期点検のための機材を導入する場合がある.しかしながら,これまで定期点検が実施されていない国において新たに機材を導入する場合,取得されるデータの信頼性を検証するプロセスが確立されていない.本論文ではエチオピア国アディスアベバ市が管理する道路を対象とし,道路舗装のコンディションを計測する点検機材を導入しその取得データの信頼性を検証した実践的取り組みを評価し,その結果から得られた知見を一般化しデータの信頼性を検証するプロセスを提案する.