2009 年 65 巻 1 号 p. 283-290
本研究では,速度構造の異なる2種類の普通地盤上に建設された杭基礎を有する免震橋梁を対象として,構造物-基礎-周辺地盤-自由地盤を一体としてモデル化することで,地盤による地震動の増幅特性を評価するとともに,慣性力および地盤変位相互作用の両者がL2地震時の構造物全体挙動に及ぼす影響を検討した.その結果,免震構造の採用により慣性力の相互作用自体は軽減されるものの,相対的に地盤変位の影響が大きくなるため杭頭部の最大モーメント応答はほとんど変化せず,また慣性力相互作用の影響が少ない深い位置では地盤変位により大きなモーメントが発生することが確認された.このことから,普通地盤に分類される良好な地盤であっても,地盤変位の影響を適切にモデル化する必要性があることを示した.