土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第30巻
長周期地震動に対するPC斜張橋の地震応答特性とその制震対策
庄司 学渋井 拓也
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2009 年 65 巻 1 号 p. 291-305

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抄録
本研究では,卓越周期が2秒から20秒程度で,数分以上の継続時間となる長周期地震動を取り上げ,これらに対するPC斜張橋の地震応答特性を明らかにするとともに,長周期地震動に対する制震ダンパーの有効性を検討した.主要動の作用によって主塔頂部が大きな応答変位を示す結果,ケーブル全体に張力変動が生じ,主塔近傍に向かって桁の軸力変動が大きくなること,また,後続波の作用によって,ケーブル両端部近傍において張力変動が生じ,主塔近傍に向かって桁の軸力変動が漸増するとともに,主塔基部の残留曲率が大きくなることが明らかとなった.また,制震対策のポイントとしては,主要動が作用する段階で主塔頂部の応答変位とケーブルの張力変動を効率的に低減することと言え,そのためにはダンパーの減衰係数比を極端に低くしない範囲で降伏速度を低く設定し,目標減衰力を高く設定する必要がある.
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© 2009 公益社団法人 土木学会
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