2009 年 65 巻 1 号 p. 393-398
著者らは,既設開削トンネル外側の側面に免震層(変位吸収層)を配置して地震外力の低減を図る工法を開発してきており,免震層の材料としては,ポリビニルアルコール系ポリマー材(以下,ポリマー材)という柔軟な材料を用いることで,実用性を高めた工法(以下,ポリマー免震工法)としている. 本論文は,ポリマー免震工法を検討する際,ポリマー材の非線形モデルとして既往の土の非線形モデルを適用できる可能性について検討した.非線形モデルの骨格曲線の違いは,地震時の構造物の応答に影響を与えるが,履歴減衰の違いは,ほとんど影響を与えないことが示された.その結果,地震時の構造物の応答は,ポリマー材に既往の土の非線形モデルを用いて十分に推定できることを確認した.