2009 年 65 巻 1 号 p. 406-416
軸方向鉄筋の段落し部で曲げ損傷からせん断破壊した鉄筋コンクリート橋脚模型に対するファイバー要素解析による地震応答や破壊状況の再現性を調べるために,E-Defenseにおいて実施された実大サイズの橋脚模型に対する震動破壊実験の再現解析を行った.解析の結果,応答変位に関しては,破壊が生じるまでは曲げ変形が支配的となるためファイバー要素解析によりおおむね推定可能であること,解析による時刻歴の応答せん断力も実験結果とおおむね一致するため,これにより,破壊位置や破壊する時刻に関しても,解析から得られた応答せん断力とせん断耐力を比較することによりおおむね推定可能であることを明らかにした.