土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第30巻
断層変位を受けるコンクリートアーチ橋の耐震特性
松永 昭吾大塚 久哲
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2009 年 65 巻 1 号 p. 417-425

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抄録

近年,橋梁の耐震設計においても断層変位の影響を考慮する重要性が指摘されてきているが,一般には地震による揺れのみを考慮した設計が行われており,断層変位の影響を考慮した事例はほとんどない.そこで本研究では,断層直上の橋梁の地震時挙動を把握することを目的として,道路橋示方書·同解説(2002)を用いて耐震設計された鉄筋コンクリート固定アーチ橋を対象に,断層変位を考慮した解析を行い,その耐震特性を検証するものである.解析としては,まず多数の変位方向についての静的変位漸増解析を行うことにより対象橋梁の静的な許容変位量を把握する.次に残留変位が生じるよう作成された変位波形を組み合わせて用いることにより断層変位を考慮した時刻歴応答解析を実施し,加速度波形のみ入力した場合や静的変位漸増解析と比較して,変位波形入力動的解析の必要性について考察した.

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© 2009 公益社団法人 土木学会
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