抄録
事業継続マネジメント(BCM)において,実際の事業継続性を適切に評価するために,プロジェクト管理手法であるPERT/CPMを用いて,復旧時間を定量化する手法を提案した.本研究では対象ハザードを地震とし,既往の被害予測手法に基づく個々の被害状況に応じた復旧所要時間の推定から,ハザードの特性や規模に応じた全体の復旧所要時間の定量的な予測が可能となることを示した.さらにこの手法では,全体の復旧所要時間に最も影響のある復旧箇所をクリティカル·パスとして特定することができる.そこで,復旧所要時間を指標とした事業継続性の評価に基づいて対策の優先順位を合理的に判断し,効果的な地震対策を選定する手法を提案した.