2009 年 65 巻 1 号 p. 75-81
福井平野で既に行われている微動アレイ観測に基づく地盤速度構造を照査・検討することを目的として福井平野西縁部の4つのアレイ観測点を通る南北の測線において詳細な微動H/V観測と重力観測を行った.重力観測は基盤が露頭していると考えられる東西の山地についても実施した.また,微動H/V探査ではH/Vスペクトルの2つのピーク振動数に着目して沖積層から地震基盤までの地盤構造を逆推定する簡易的な方法を提案している.微動H/Vスペクトルと重力観測から推定した新第三紀層や地震基盤の深さはアレイ観測の結果と一部不整合な部分が見受けられるものの,その大まかな形状は一致した.