土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第30巻
微動探査による島根県浜田市の地盤構造推定
野口 竜也足立 正夫田原 一志山下 毅西田 良平
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2009 年 65 巻 1 号 p. 82-87

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抄録
浜田市では1872年浜田地震(M7.1)の際,甚大な被害が発生したとの記録があり,特に市街地で被害が甚大であったとされる.そこで本研究では,浜田市街地において4地点の微動アレイ観測の実施ならびに既往の研究で得られている単点3成分観測記録を用いて地盤構造の推定を行った.微動アレイ観測記録の解析から,S波速度100~3200m/sの地下構造モデルを推定できた.浜田市内の沖積層のS波速度は100~150m/sであった.H/Vのピークは明瞭な単峰型が多く,その周期は0.2~0.8秒で浜田川沿いの市街地で周期が長くなることがわかった.S波速度構造,H/Vの特徴から軟弱な沖積層が市内全域に広く分布していることがわかった.基盤深度については,基盤岩(Vs=800m/s層)までの深さは最深部で約50mであり,地震基盤相当の最下層(Vs=3000m/s相当層)までの深さは,最大で約800mであることがわかった.
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© 2009 公益社団法人 土木学会
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