2010 年 66 巻 1 号 p. 377-385
筆者らは,地球規模課題対応国際科学技術協力事業「ペルーにおける地震・津波減災技術の向上に関する研究」の一環としてJSTからの援助を受け,2010年2月27日に発生したチリ地震の被害調査を実施した.調査は地震から約1ヶ月後の4月2~8日にかけて実施した.本論では被害調査の概要と調査結果および地理情報システム(GIS)を用いた分析を行い地震,津波被害の特徴について述べる.具体的には,被災地域における衛星画像と現地調査写真を比較し,地震による建物被害がどの程度把握できるか検討を行う.また,標高データ(DEM)を利用し,津波被害が生じている地域の地形的特徴を分析する.