抄録
鋼板接着工法は損傷したコンクリート部材の表面にエポキシ樹脂で鋼板を接着し,部材内部の鋼材を外側から補おうとする補強工法である.長年にわたって多くの橋梁床版に適用されているが,経年に伴って鋼板の浮きが発見されている.本研究では,人為的に浮きを設けた鋼板接着補強RC床版を作製し,輪荷重走行試験を実施して破壊過程を観察するとともに,樹脂の再注入による補修を行った.劣化度を用いた検討の結果,劣化度が使用限界(1.0)を超える1.3の場合でも,再注入を行うことで劣化度が0.69まで改善できることがわかった.