土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
和文論文
止端処理を施した溶接継手の極低サイクル疲労強度とその簡易推定法
舘石 和雄埴渕 脩司
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 67 巻 2 号 p. 294-306

詳細
抄録

 本研究では,止端処理による極低サイクル疲労強度向上効果について検討を行った.試験体は板厚の異なる3種類のT字溶接継手とし,その溶接止端部をTIG処理またはグラインダー処理により滑らかに改良した.止端処理を施すことによりき裂が発生するまでの疲労寿命は板厚によらず全ての試験体において大きく改善され,極低サイクル疲労領域におけるTIG処理およびグラインダー処理による疲労強度向上効果の有効性を確認することができた.また,止端部に生じる局部ひずみに影響を与える要因を明らかにするために有限要素解析を行い,止端部の曲率半径,処理深さおよび板厚が支配的なパラメータであることを示した.さらに溶接継手の極低サイクル疲労強度を止端形状から簡単に推定する手法について検討した.

著者関連情報
© 2011 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top