2012 年 68 巻 1 号 p. 110-123
著者らは前論文において,高速ビジョンの活用を前提としたアクティブ制御方式を提案し,骨組構造模型に対する振動台実験を行って,本制御方式の特性と有用性について考察した.本論文では更なる制振性能の向上を目指して,予見制御の活用について検討している.検討手順としては,まず,提案する予見制御方式を示した後,予見ステップ数と制振性能向上の関係を数値解析と振動台実験で明らかにする.次に,実構造物への適用を念頭に,地下数100mの地震観測波形から波動伝播解析で地表の予測地震波形を算出する可能性を明らかにするため,KiK-netデータを活用した検討例を示した.同時に予測地震波形の誤差と予見制御システムについて考察している.